裁判離婚とは

離婚裁判の手続きと進行

裁判離婚はいきなり訴訟を起こすことはできません。
原則として、離婚調停が不成立で終了した場合に、夫婦のどちらかが家庭裁判所に離婚の訴えを起こすことができます。これが裁判離婚です。

裁判離婚は、家庭裁判所にて行われ、またその裁判に勝つことで、離婚を認めるというものです。
離婚の判決は、相手がどんな拒否をしても離婚を強制できることになります。

この裁判離婚は、離婚全体の約1%と言われています。
ほとんどが調停離婚で成立します。

あくまでも調停を先に行うことが原則と言いましたが、以下のケースでは、調停を行っていなくても、いきなり離婚裁判が始まるケースです。

  1. 被告が生死不明や行方不明
  2. 被告が心神喪失などの状態
  3. 家庭裁判所が調停では協議できないと判断した場合

以上の場合では、離婚請求とともに、いくつかの付帯請求を同時にします。
主な内容は財産分与・慰謝料・親権者の指定・養育費となります。
裁判の途中で協議離婚が成立し、離婚請求が取下げられると、付帯請求ができなくなります。
その場合には、財産分与・親権者の指定・養育費の請求は却下されます。
そのためこれらを請求する時は、改めて家庭裁判所に調停、審判を申し立てることになります。
本来、慰謝料は、地方裁判所に訴えるものですが、これも離婚の訴えがあれば、あわせて家庭裁判所に請求することが可能です。

訴訟をおこす場合は、早めに弁護士に相談する

離婚訴訟を起こす場合、訴状を作成する段階から、法律の専門知識が必要になります。

そのため、裁判を有利に進めたいなら、できるだけ早く弁護士に依頼するのが良いでしょう。
しかし裁判だからといって、弁護士が必ず必要なわけではありません。
本人だけでもできないことはありませんが、離婚の訴状から作成するとなると、とても素人では困難です。

また、本裁判になると、書面の提出、証拠の申立てなどすべての手続を法律の定めるところに従わないといけません。
判決を得るためには、離婚原因の事実について、訴えを起こした原告が主張するだけではなく、立証する必要もあります。
これらを考えると、離婚訴訟では弁護士を雇ったほうが賢明でしょう。

弁護士に依頼した場合は弁護士は提訴して、裁判には依頼者の代理人として出席します。
代理人である弁護士が出席していれば、依頼した人は、和解の話し合いや、証拠調べで尋問される時以外は、裁判所に行かなくてもよくなります。

裁判離婚が認められるには?

裁判離婚の場合は、民法に定める離婚原因がない限り離婚は認められません。
離婚原因とは具体的に以下の5項目です。

  1. 配偶者に不貞(不倫)な行為があったとき
  2. 配偶者からの悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死3年以上明らかにでない時
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
  5. その他、婚姻を継続しがたい重大な事由のあるとき

離婚裁判を起こすには、これら5項目のどれかの離婚原因が必要となります。

裁判離婚の訴訟を起こすのに必要な手続き

裁判離婚の訴えを起こすには、離婚を求める内容の訴状を2通(裁判所保管の正本1通&被告に郵送する副本1通)を作成します。
そして、夫婦の戸籍謄本を1通を添付して家庭裁判所の「家事事件受付係」に提出します。
訴状には、収入印紙と連絡用の郵便切手を添えます。

訴訟に必要な収入印紙代

離婚だけの訴えの場合(親権者の指定を求める場合も含む)

13000円分の収入印紙

離婚の他、金銭の支払いも訴える場合

13000円の収入印紙+請求内容に応じて増額

訴状の作り方ですが、弁護士に相談して、適切な内容の訴状を作成してもらうのが妥当です。
離婚の訴えを起こす裁判所は、原則として夫または妻の所在地を管轄とする家庭裁判所になります。

裁判離婚の流れと注意点

家庭裁判所へ訴状を提出すると、裁判所から第一回口頭弁論期日が指定されます。
相手には、裁判所から訴状の副本と期日の呼出状が特別送達というかたちで郵送されます。
口頭弁論期日では、まず、あらかじめ提出した書面で双方が主張を述べます。
そして、証拠を提出します。
争点が整理されると、当事者や証人の尋問、そして証拠書類の証拠調べがなされます。

裁判が進行する段階で、裁判所は判決による可決ではなく、話し合いによる解決を進めることがあります。
これを和解勧告といいます。
和解が成立した場合、和解調書が作成されて離婚が認められます。
これが和解離婚です。

相手方の行方がわからないときには、調停をせず家庭裁判所に、離婚の裁判を起こすことができます。
通常は、相手に裁判所から訴状の副本と期日呼出状が送達されるのですが、行方がわからない場合は、裁判所にある掲示板に一定の書類を掲示して被告に送達したことにする方法をとります。
これを公示送達と言います。
公示送達の申立書を裁判所に提出し手続きを行います。
公示送達は掲示板に書類を公開してから2週間が過ぎると、被告に送達されたとみなされ、裁判をすすめることができるようになります。
その場合、第一回口頭弁論期日に、相手が出頭してくることはまずありません。
この場合、欠席判決と言って通常の民事裁判であれば、原告の全面勝訴の判決が出ますが、裁判離婚の場合は、原告の言い分に間違いがないか証拠調べを行ってから判決が出されます。

離婚裁判を有利にすすめるためのポイント

離婚裁判は、ひとりの裁判官の価値観によって判決が出ます。
なので、裁判官の人物像を考えるのも離婚裁判を有利にすすめるにあたって、重要なポイントです。
男性なのか女性なのか、年齢・人柄などです。

では、具体的に裁判官とどのように接したら良いのでしょうか。

裁判官というのは公平な立場ですから、裁判所以外で会うとか、時間外に会うのは許されません。
和解を切り出し、和解期日の裁判官との面談の際に接触するのが唯一の機会です。
もちろん、その結果、本当に和解で終わるか判決で終わるかは別の問題です。

裁判官の心証は、裁判においてとても重要なので、裁判官の心証を悪くするようなことを言ったり、行わないほうが良いでしょう。
もっとも心証を悪くするのは、裁判官のアドバイスを受け入れずに自分の訴えのみを感情に任せて、一方的に話すことです。